83歳の”やさしすぎる”スパイが世界中を魅了した!
映画館を出た後、親や祖父母に連絡したいと思ってもらいたい。そんな映画です。
        マイテ・アルベルディ監督
『007』、『ミッション:インポッシブル』、『キングスマン』…。映画の歴史でスパイを題材にした名作は数あれど、それらとはまったく違う、アクションとは無縁の、世界でいちばん“やさしい”スパイ映画が誕生した。本作で驚くべき活躍を見せる主人公は、83歳のごく普通の男性セルヒオ。とある老人ホームの入居者が虐待されているのではないかという疑惑があり、そのターゲットの様子を密かに克明に報告する、というのが彼に与えられたミッションだ。携帯電話の扱いひとつ不慣れなセルヒオが、眼鏡型の隠しカメラを駆使し、暗号を使って老人ホームでの潜入捜査を繰り広げる様子に観客はハラハラしっぱなし。妻を亡くした悲しみの中にある彼は、傷ついている人を放っておけない心優しい性格で、調査を行うかたわら、いつしか悩み多き入居者たちの良き相談相手となってしまう…。セルヒオは無事にミッションをやり遂げることが出来るのか!? そして彼が導き出したある真実とは?
監督・脚本:マイテ・アルベルディ
MAITE ALBERDI
チリ・カトリック大学で映画と美学を専攻。小さな世界で起こる日常の物語を通して、登場人物を非常に近い視点から描き出す独自のスタイルを築き上げた監督。これまでに、長編ドキュメンタリー映画3作『The Grown-Ups(英題)』(16)、『Tea Time(英題)』(14)、『The Lifeguard(英題)』(11)と、短編映画3作『I’m Not from Here(英題)』(16)、『The Hairdressers(英題)』(08)、『The Trapeze Artists(英題)』の脚本と監督を手がけている。2011年、長編監督デビュー作『The Lifeguard(英題)』が、アムステルダム・ドキュメンタリー国際映画祭(IDFA)でプレミア上映され注目を集める。自身の制作会社ミクロムンドで手掛けた『Tea Time(英題)』(後援:ITVS、ベルタ・ファンド、トライベッカ・フィルム・インスティテュート、FFA,CORFO) は、12以上の国際賞を受賞し、2016年のゴヤ賞でイベロアメリカ映画賞にノミネート。同年、短編映画『I’m Not from Here(英題)』がプレミア上映され、ヴィジョン・デュ・レール:ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭で短編映画賞を受賞、クラクフ映画祭のヨーロッパ映画賞にノミネートされた。同年11月には、『The Grown-Ups(英題)』がアムステルダム・ドキュメンタリー国際映画祭の公式長編ドキュメンタリー映画コンペティション部門でプレミア上映された。現在はチリ・カトリック大学でドキュメンタリー映画の教鞭も取っている。
HOGER DE ANCIANOS "SAN FRANCISCO"
聖フランシスコ特養ホーム
セルヒオ・チャミー
83歳の新人スパイ。妻を亡くして以来、張り合いの無い生活を送っていた。スパイに採用されて張り切って仕事に取り組もうとするが、電子機器の扱いに悪戦苦闘する。目立ってはいけないはずのスパイだが、一番の人気者になってひときわ目立つ存在に。
ロムロ・エイトケン
A&A探偵事務所の探偵。元インターポールの肩書を持つ。毎日、セルヒオに、潜入捜査の報告を送るよう指示を出すが、なかなか指示通りに動いてくれず頭を抱える…。
ダラル
セルヒオの娘。年老いた父親セルヒオを、家族と離れて一人でホームに送り出すことになり涙をこぼす。父の不慣れなスパイの仕事にも不安を感じている。
ソニア
今回セルヒオがマークすることになるターゲット。家族から、ソニアが施設内でいじめられているのではないか、調べてほしいと依頼が入った。あまり口数が多くないので、セルヒオは少しずつ日常会話をして聞き出すことに。
マルタ
認知症の症状があり自分の母親が迎えに来てくれると信じている。どうやら無意識に人のものを盗む癖がある様子で、セルヒオは彼女をマークすることに。
ペティタ
施設に入居する人たちに、いつも自分で即興の詩を作って歓迎してくれる。自分の最期の時にも詩を詠んで見送って欲しいと自作の詩を託す。
ベルタ
セルヒオの紳士的な態度にすっかり惚れ込んでしまい、施設に外出許可をもらって2人でデートしようとするが…。
ルビラ
記憶障害があり、自分の体験した出来事や発言の記憶が抜け落ちてしまう。家族が長い間、面会に来てくれないため、成長した娘や孫に会いたがっている。
面白さと同時に、老人たちの孤独、また楽観的な面を映し出す。老人ホームの映画の多い中で、ユニークさは、特別!
黒柳徹子
女優・ユニセフ親善大使
歳を取ると、みんな純粋な宝石の一雫になる。コロナ禍の介護施設で暮らす両親に会いに行くと、子供のような涙を流して、私を母親を、見るように見つめるのだ。歳を取ると、みんな純粋な宝石の一雫になる。コロナ禍の介護施設で暮らす両親に会いに行くと、子供のような涙を流して、私を母親を、見るように見つめるのだ。いつも自分が優しいスパイのように感じる。介護士の仕事に敬意を表する。ありがとう!
渡辺えり
劇作家・演出家・俳優
優しすぎるおじいちゃんスパイにほのぼのとしていたら、最後は不意に泣いてしまった。大好きだった祖母に会いたくなった。こんな素敵な映画に出会えたことに感謝!
IMALU
タレント
映画を観終わった後に日本版もぜひ観たいと思いました!介護に興味の無い人にもこの作品の伝え方は凄く良いと思います。介護に興味が無い人や学生さんにぜひ観てほしい作品です。もちろん、このコロナ禍で施設に会いに行けないご家族の方にも観てほしいです。
松本康太
レギュラー/レクリエーション介護士・「レギュラーの介護のこと知ってはります?」著者
誰にも老いはやってくる。周りに誰がいたって、きっと寂しい。でも「泣いていいよ」と話を聞いてくれる人がいるなら、それで幸せかも。
信友直子
映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』監督
入居者のコミュニケーション不足による心の隙間を埋める、新人スパイのセルヒオさん。相手の気持ちをおもんばかる彼の言動から、私たちは学ぶことがたくさんある。
奥浜レイラ
映画・音楽パーソナリティー